
協和エクシオを退職し、就職活動を経て、株式会社日本能率協会総合研究所への再就職が決まりました。
印象に残っている3つのプロジェクトについて
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・バイオマス関連のCO2削減効果を算出するプロジェクト
・企業ボランティアに関するマニュアル作成
・介護事業所向け「介ソル」の開発
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◆再就職しました
就職活動を経て無事に、「株式会社日本能率協会総合研究所」に就職することができました!
実は、この時「ファシリテーション」に魅力を感じていました。
グループインタビュー等を中心としたコンサルのようなことがしたいと思い、
日本能率協会総合研究所でもそのような仕事を手掛ける部署への配属を希望していましたが、残念ながらそちらに採用いただくことはできませんでした…
ただ、国や自治体をクライアントとする「社会環境研究本部の環境研究部」からオファーをいただき、
面接を経て無事に就職することができました!
環境研究部で従事させていただいた仕事は、
・建設リサイクルを中心とする業務
・全国の工事現場から収集されるコンクリート塊や建設発生木材等の発生量、再資源化施設への搬出量からリサイクル率を算出するツールのメンテナンス
・全国で行われる建設リサイクルの意見交換会の事務局
その後は、「まちづくり」、「行政のデジタル化」、「働き方改革」、「介護関連」、「新規事業開発」・・・
と、様々な仕事に携わらせていただきました。
ここでは、印象に残っている3つのプロジェクトについて、ご紹介したいと思います。
①膨大な計算量で「根性」を認めてもらう
1つ目は、環境研究部時代に経験した、バイオマス関連のCO2削減効果を算出するための原単位を算出するプロジェクトのご紹介です。
河川に発生する刈草や道路の剪定から発生する剪定枝を下水処理場にて嫌気性消化、その際に発生するメタンガスの有効活用がテーマとなっています。
従来の堆肥、プールの加温、単純焼却といった方法と比べて、どの程度CO2削減効果があるかを算出することを目的としたものでした。
全部で10パターンほどの有効活用方法について、全て刈草や剪定枝の単位重量あたりのCO2削減量を算出するための原単位を求めるもので、報告書は実に300ページ!!
そしてそのほとんどが計算式という、なかなか稀有なプロジェクトでした…
プロジェクトに遅延してしまったため、当時の本部長と一緒にクライアントのところへ伺い、謝罪も含めた打ち合わせをしたことがありました。
このときの打ち合わせは、14時から20時くらいまで続きました。
ずっと説明していた私はへとへとです。
帰りのタクシーで横で聞いているだけだった本部長が、「いや~、疲れたね」とおっしゃったときに、
「(あなたは横で聞いていただけでしょ)」と思いながら苦笑してしまったことを覚えています。
今思えば、隣でほとんど理解できないであろう計算式の説明を6時間ずっと聞いているというのは、本当に疲れただろうなと思います。
上司にはご迷惑をかけてしまいましたが、このときに「佐野は根性があるな」と認めてもらえたのではないかと思っています。
②活発な議論から成果物を作成する醍醐味
2つ目は、労働政策研究部に配属されていた時の、企業がボランティア活動を行う際のマニュアルを作成するプロジェクトです。
大学の先生やボランティアに関する関係機関、企業でボランティア活動を推進する部署に配属されている方などで構成された委員会を中心に、
文献調査やヒアリング調査で得た事例などを取りまとめ、企業がボランティア活動を推進するための手順をマニュアルとしてまとめるプロジェクトでした。
「企業のボランティアの推進」という共通の目的がりますが、委員のそれぞれの立場の違い等から出てくる意見は微妙に異っています。
国の作成物としてバランスに欠いたものにならないようにうまく取りまとめることは非常に大変な経験でした。
ただ、元々ファシリテーションに興味があったため、
「様々な意見を引き出し、議論を活発化して、一つの成果物を作成していくプロセス」というものは、大変興味深く、
熱心に意見を出していただいた委員の方々の期待に応えられるように必死に頑張ったことを覚えています。
委員会の座長は母校である立教大学の中村先生にお願いしていたため、
打ち合わせのために久しぶりに母校を訪れたことも、よく覚えています。
※作成したものは厚生労働省のホームページに公開されていますので、よろしければこちらからご覧いただければと思います。
②介護関連のスケジューリングシステムの開発
3つ目は、新規事業を開発する部署で介護事業所向けに「介ソル」というシステムを開発したことです。
ご利用者様の週間スケジュールと、スタッフの稼働スケジュールを連動させるためのプロジェクトでした。
有料老人ホームや訪問介護、訪問看護事業を手掛ける株式会社ACGと共同で開発したもので、
エクセルとアクセスを使ってプロトタイプを作成し、最終的にSaaS型のシステムとして構築しました。
SE時代以来、本格的なシステム開発を経験しました。
・プロトタイプを作成時にはプログラミングを
・SaaS型のシステム開発では外注先の管理も含めたプロジェクトマネジメント
・特許出願
といった仕事をさせていただき、非常にエキサイティングな経験ができました。
結果として、ビジネスとして成功させることはできず、会社として新規事業を一旦終了することが決まってしまいました。
残念ながら「介ソル」を世に送り出すことはできませんでした…
しかし、これのプロジェクトをきっかけに、ACGに転職、その後起業時にもACGから出資いただくなど、今でも大変お世話になっております。
そして開発した「介ソル」は今でもACGで運用されています。
これは大変嬉しく思っております。
これで、代表の履歴書は一旦終了とします。
これまでご拝読いただき、誠にありがとうございました。