SaaSのパッケージ導入か?ノーコード開発ツールによる自作か?

個人的にSaaSというサービス形態は非常に優れていると思います。

言い方が正しいかは分かりませんが、システムを「万人受け」するように極限まで機能を標準化し、最大公約数的にパッケージとして仕上げて、「これで事足りる方々にシェアしてお使いいただくことで、割り勘効果が働くのでお安くご利用いただけますよ~」といって、世に提供するわけです。

(実際は利用者が増えるたびに料金が安くなるわけではないので「割り勘」という表現は正しくないかもしれませんが、イメージとして)

ソフトウェアをシェアするという性質上、個別のカスタマイズは難しいと思いますが、その分、運用・保守の手間がなかったり、システムのアップグレードもベンダー側でやってもらえるので、パッケージの機能で事足りれば、有力な選択肢の一つになると思います。

ただ、この「事足りる」という部分が厄介で、本当は事足りないけど、運用でカバーする、つまり、業務フローをパッケージ仕様に合わせる、そのために業務分析を行い、現行とのFip&Gap分析を行い・・・みたいなことをするわけです。

このこと自体、悪いといっているのではなく、コスト削減のための一つの企業努力だと思います。

ただ、この分析がうまくいかず、パッケージ導入をあきらめることもあるのではないでしょうか。

一方で、最近は「ノーコード開発ツール」が発展してきており、「自分たちに合うパッケージソフトがないのであれば、作ればいい」という選択肢が出てきました。システム開発ベンダーに発注するより、かなり割安にシステムが構築できると思います。

実際、ノーコード開発ツールを使うと、プログラミングなしにアプリを作成することができます。ただ、だいたいこの手の売り文句として、「非エンジニアの方でも」というのがありますが、「ホント?」って思うことがあります。

確かに、「単体のアプリ」であれば多くの方が自力で作れると思います。これが複数アプリができてきて、「このデータとこのデータを連携させたい」「顧客情報はマスタから共通して参照したい」みたいに、「データ連携」のニーズが高まってくると、とたんに「非エンジニア」では難しくなると思います。

また、「信頼性」も心配です。パッケージソフトは、ベンダー側ですごい人手をかけて、あらゆるデータパターンでテストを行ったりして、非常にバグの少ない、信頼性の高いソフトウェアになっていると思いますが、自作のアプリで、そこまでテストを行えるかというと、現実的には無理だと思います。まず、そのようなデータパターンを用意することも至難の業です。実際は、走りながら不具合が出たら改修する、の繰り返しになるのではないでしょうか。

最近あれこれ考えていることをバババっと書いてしましましたが、結局、SaaSでパッケージを利用するのがいいのか、ノーコード開発ツールで自作したほうがいいのかは、ありきたりな言い方になりますが、その特徴を把握して、自社にあった方を選ぶしかない、ということかと思います。