CASE 01|介護施設新規顧客獲得の判断が、施設長ひとりに集まっていた。
営業から見学、契約、入居までの流れを、フォーメーションマップと業務プロセスの表で整理した事例です。「どの状態になれば次へ進めるのか」「誰が判断を持つのか」を表にしました。
実務をもとに再構成した想定ケースです。社名・数字は実在の施設のものではありません。

相談のきっかけ「見学のあと、どこで止まっているのか分からない」
問い合わせは月に十数件あるのに、入居に至るのは数件。見学の日程、家族への説明、空室との照らし合わせ、契約の可否。どれも施設長が電話で決めていて、施設長が現場に出ている日は、返事が翌日に回っていました。
症状(問診で〇がついたもの)
- ベテランに聞かないと決まらない。その人が休むと止まる
- 引き継ぎで、手順は渡せても「勘どころ」が渡せない
診察で見たもの流れを1枚に。判断が集まる場所に印をつける。
フォーメーションマップで、問い合わせから入居までの「役割のリレー」を1枚にしました。左に家族と紹介元、中央に相談員・施設長・現場、右に協力医と薬局。線を引いていくと、判断の印が施設長の箱に5つ集まりました。
次に、5つの判断を「何を見て、どう決めているか」で表にしました。空室と要介護度の組み合わせ、家族の希望日と職員の勤務、既往歴と受け入れ可否。施設長の頭の中では一瞬で決まることが、表にすると3行から6行のルールになりました。

見えたこと5つのうち3つは、ルールにできる判断だった。
「空室と要介護度の照らし合わせ」「見学日程の候補出し」「必要書類の案内」は、条件がそろえば相談員が決めてよい判断でした。残りの2つ(受け入れ可否の最終判断、家族への説明の順番)は、施設長の経験が要る判断として残しました。
属人化の正体は「施設長しか決められない」ではなく、「決めてよい範囲が決まっていない」ことでした。
判断点の表(抜粋)
| 判断 | 見るもの | だれが |
|---|---|---|
| 見学日程の候補出し | 家族の希望日・職員の勤務表 | 相談員(ルール化) |
| 空室の仮押さえ | 空室一覧・要介護度・居室の階 | 相談員(ルール化) |
| 受け入れ可否 | 既往歴・夜間の対応・家族の状況 | 施設長(経験の判断) |
処方決めてよい範囲を表にして、図書館に置く。
ルールにできる3つは、判断の表をそのまま「決めてよい範囲」として相談員に渡しました。表は判断の図書館に蔵書として置き、例外が出たら申請で育てます。施設長の判断2つは、人に残す判断として、記録と振り返りで新しい相談員に引き継ぐ予定です。
※蔵書=業務の中の判断を、AIが読みやすいデータにして蓄えたもの。
システムは入れていません。打ち手は、表と、置き場と、司書の選書だけでした。
※司書=新しい記録を読んで、蔵書にするかを決める社内の担当者。
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